英文を読むスピードが上がれば、仕事・作業の効率が上がります。日常業務の中の英文メール、英語の社内通知やニュースレター(外資系企業の場合など)、調べたい英文記事や論文など読むときに、読むスピードは大きく影響してきます。
仮に英文を読むスピードが、1.5倍になれば、時間は大幅に短縮でき、業務時間内の生産性を高めることができます。あるいは、英文を読むことに時間を取られて残業していた場合、その残業時間を減らすことも可能です。
仕事や業務以外に、TOEIC、TOEFL、IELTS、英検など英語の問題文を限られた時間内で読まなければならない試験では、英文読解スピードを上げることはとても重要です。
おそらく大多数の人は、これまでに英文を読むスピードを客観的に計測してきたことがないと思います。今回は、英文を読むスピードの指標となるWPMとその測定方法をご紹介しましょう。
WPMとは?
WPMは「Words Per Minute」の頭文字を略したもので、1分あたりに読むことができる単語数となります。
英語ネイティブのWPMのデータは、調査や測定条件によって異なるみたいですが、Forbesの2012/06/04の「do-you-read-fast-enough-to-be-successful」という記事によると平均的な大人の場合、300(wpm)です。(※平均的な大人のWPMは200から230、240、250のように300以下というデータもあります。)
Third-grade students = 150 words per minute (wpm)
Eight grade students = 250
Average college student = 450
Average “high level exec” = 575
Average college professor = 675
Speed readers = 1,500
World speed reading champion = 4,700
Average adult: 300 wpm
一番下のAverage adultが平均的な大人ですね。それ以外のThird-grade studentsは小学3年生、Eight grade studentsは中学2年生に相当。残りはAverage college student(平均的な大学生)、Average “high level exec”(平均的な上級幹部・重役)、Average college professor(平均的な大学教授)、Speed readers(速読者)、World speed reading champion(速読の世界チャンピョン)となります。
WPMの測定方法
WPMを計測する便利なサイトがあります。
テスト用英文が「中学1・2年用」、「高校入試」、「高校1・2年用」、「大学入試」、「難関私大入試」とレベル分けされています。さらに確認テストがついているので、読んで理解したかどうかわかります。
海外のサイトでは、CENGAGE Learningがあります。
Exerciseが1から24まであり、いろいろ試せます。確認テストはうまく動作していないようですが(※2017年11月16日時点)、WPMを測定することは可能です。
日本人のWPM
GTECによると高校生の平均WPMは75のようです。大学生は80から100と言われています。一般的な日本人の場合、大学入学以降は受験時ほど英語の勉強に時間をかけないので、WPMのピークは大学受験時で、それ以後はスピードが落ちている可能性が高いと思われます。
仮に100wpmとした場合、ネイティブの平均の3分の1になります。日本人の中でも、比較的英語の読解力がある人は、150から200ぐらいあるようです。ちなみにTOEICのリーディング試験で全問きちんと解くには150以上必要と言われています。(※TOEICを定期的に受験して、リーディング495点満点を20回ぐらい取っている私のWPMが150~200の間ぐらいなので、経験的に正しいと思います。)
まとめ
自分の英文読解スピードを計測したことがなかったら、一度テストしてみるといいですね。客観的な数値は、今後勉強を続けるにあたってひとつの基準になり、また勉強方法が効果的であるかどうか確認もできます。