TOEICでは、言い換え表現が正解になることが多くあります。問題文中に出てきた単語やフレーズが、選択肢の中で言い換えられていて、その選択肢がかなり高い確率で正解になります。そこで、押さえておくべき重要な言い換え表現を最初にまとめました。
次に重要なのは、自分がすでに知っている意味だけでなく、TOEICで別の意味で出てくる単語を覚えることです。中学、高校の英語教育や大学入学試験対策で覚えた簡単な単語がTOEICでは全く違う文脈で出題されることがあります。
単語の他の意味を知らない場合、消去法で正しい選択肢を除外し、間違った選択肢を選ぶことがあります。これを防ぐためにTOEICで頻繁に出現する重要語と、それらの別の意味をまとめました。
今回まとめた単語リスト・言い換え表現は、試験前の直前の確認や日頃の単語学習にご活用ください。頻出の言い換え表現やTOEICでよく出る意味を知ることで、より自信を持ってテストに臨めると思います。
Contents
- 1 重要言い換え表現
- 2 TOEICではこの意味で出る重要単語
- 2.1 7. tour(見学)
- 2.2 8. interview(面接)
- 2.3 9. water(水をやる、植物などに水をあげる)
- 2.4 10. meet(~を満たす)
- 2.5 11. business(会社、店舗)
- 2.6 12. reference(照会先・推薦)
- 2.7 13. once(いったん~したら)
- 2.8 14. landscaping(造園)
- 2.9 15. contribute/ contributor(寄稿する/寄稿者)
- 2.10 16. hours(勤務時間、営業時間、業務時間)
- 2.11 17. issue([雑誌などの]~号)
- 2.12 18. focus group(フォーカスグループ)
- 2.13 19. raise(お金・資金を集める)
- 2.14 20. recognize(賞賛する、表彰する)
- 3 まとめ
重要言い換え表現
1. complimentary(無料の)
complimentaryには「お世辞を言う、称賛の、挨拶の」という意味がありますが、TOEICでは圧倒的に「〔人に提供する物が〕無料の」という意味で出ます。
TOEICでよくある事例は以下のようになります。
- complimentary breakfast(無料の朝食)
- complimentary beverage(無料の飲み物)
- complimentary shuttle service(無料のシャトルサービス)
- complimentary gift(無料のプレゼント)
- complimentary consultation(無料の相談)
また問題文の中で出てきたフレーズが選択肢の中で言い換えられることがよくあります。問題文と選択肢の間で言い換え表現に気づけば、その選択肢は正解である可能性が極めて高くなりますので以下をcomplimentaryの言い換え表現として覚えておきましょう
- free of charge(料金不要の)
- at no cost(無料で)
- no charge(無料の
- unpaid(無料の)
- costless(無料の)
2. annual(年に一度の、毎年の、年1回の)
annualは「年に一度の、毎年の、年1回の」という意味で、Part7の読解問題の本文にこの単語が入っていると設問の選択肢で言い換え表現のあるものが正解になりやすいです。
言い換え表現の事例は下記のようになります。
- yearly(毎年の)
- once a year(1年に1回の)
- every year(毎年)
3. reach(連絡する)
reachは「到着する、届く、手が届く」などの意味がありますが、「~に連絡する」という意味で出題されることがあります。
“You can reach me at this number.”のような文で「こちらの番号に電話をすれば私に連絡を取ることができる」という意味で使われます。
以下のような言い換え表現があります。
- contact(~と連絡を取る)
- get in touch with(~と連絡を取る)
- communicate with(~と連絡を取る)
4. genre (ジャンル)
genre は皆さんがご存じの「ジャンル」です。これまで指導してきた方のほとんどはこの単語を見た時、「ジャンル」であることに気づきませんでした。genreには次のような言い換え表現があるので覚えておきましょう。
- category(カテゴリー)
- type(種類、タイプ)
- style(スタイル、様式)
- classification(分類、カテゴリー)
- form(形式、形態)
5. expedite[エクスペダイト](早める、促進させる)
expediteは「~(の進行)を早める、〔~を〕促進させる」という意味です。TOEIC単語集の金のフレーズで990点レベルの926番にありますが、正解の選択肢になることがあるので言い換え表現とともに覚えておくのがいいでしょう
- accelerate(加速する、促進する)
- speed up(加速する、スピードを上げる)
- facilitate(促進する、容易にする)
- rush(急ぐ、急いで処理する)
6. in person(直接会って、対面で)
in personとは、「直接会って、対面で」という意味の表現です。具体的には、直接相手と会って話をすることを指し、対面で行う会議や面接、セミナーなどでよく使われます。例えば、”I want to meet you in person”と言えば、「直接お会いして話をしたい」という意味になります。
in personの言い換え表現は以下のようになります。
- face-to-face(向かい合って、対面で)
- personally(自ら、直接に、じきじきに)
- directly(直接に)
- on-site(現地[現場]で)
- one-on-one(マンツーマンで、1対1で)
TOEICではこの意味で出る重要単語
7. tour(見学)
tourはいわゆる「ツアー」で旅行という意味はご存じだと思いますが、TOEICでは工場などの「見学」という意味でよく出ます。
- factory tour(工場見学)
- museum tour(博物館見学)
8. interview(面接)
interviewと言葉を聞いて一般的にイメージするのは「インタビュー、取材訪問、聞き込み」だと思います。しかし、TOEICでinterviewが出てきたら、ほぼ「(就職のための)面接」です。
特にリスニングPart3とPart4、リーディングのPart7で求人・就職・転職関連のトピックが出ることがあります。interviewが出てきたら「面接」という意味で対応してみてください。
9. water(水をやる、植物などに水をあげる)
waterは誰もが知っている名詞で「水」を意味する単語ですが、動詞として使われる場合、「水をやる、植物などに水をあげる」という意味があります。例えば、「I need to water the plants」は、「植物に水をやらなくてはいけない」という意味になります。
waterの動詞の意味は学校英語や大学受験英語ではあまり見かけないので覚えておきましょう。
10. meet(~を満たす)
meetの一般的な意味は、「会う」、「出会う」などで、人や物との接触を表します。
TOEICでは「会う」、「出会う」という意味でも出ますが、これとは別に「要求や期待を満たす」、「条件を満たす」など目的や目標を達成するなどの意味で出てきます。
「~を満たす」の例として、”The product needs to meet certain requirements”は、「その商品は一定の必要条件を満たす必要があります」という意味です。また、”The company needs to meet its sales targets”と言えば、「その企業は販売目標を達成する必要があります」という意味になります。
11. business(会社、店舗)
businessは日本人の間で「商取引、ビジネス(事業)」として一般的に理解されていますが、TOEICでは「商取引、ビジネス(事業)」という意味よりもむしろcompany(会社)やshop(店舗)の意味に近い「〔営利事業を行う〕会社、企業、店舗などの事業所」でよく出題されます。この意味の場合は可算名詞で、businessesのように複数形になっていることがあります。
※ご参考までに「business」は会社や店舗を含む商業的な活動全般を表す言葉であり、特定の会社や店舗を指す場合もある一方、「company」や「shop」は、それぞれ特定の法的実体や店舗を指す言葉で微妙なニュアンスの違いがあるようです。
12. reference(照会先・推薦)
referenceは「参照、言及」などの意味で知っている方は多いですが、referenceがTOEICで求人関連のトピックで出てくる場合、経歴照会先や推薦を意味し、応募者の現職や前職の上司や同僚に、経歴や働きぶり、人柄などについて確認を取るときに使われます。
【例文】
Please include your resume and the names of three professional references.
履歴書と職務上の推薦者3名の氏名を明記してください。
13. once(いったん~したら)
TOEICリーディングPart5の接続詞・前置詞・副詞問題の選択肢で比較的よく見かけます。多くの受験生はonceの副詞の意味で「一度、かつて」は知っているが、接続詞として「いったん~すると」を知らないことがありますので覚えておきましょう。
どのような問題で出題されるか下記に例題を掲載します。
【Part5サンプル例題】
——– the road repair work is completed, traffic congestion on Reymond Street will be eased.
(A) Consequently
(B) Once
(C) Beforehand
(D) Among
問題文の主語と動詞の位置を確認すると次のようになります。
・空所の後からカンマまでのthe road repair work is completedは主語+動詞の形
・カンマから後のtraffic congestion on Reymond Street will be easedも同様に主語+動詞の形
(接続詞)+(主語S)+(動詞V), (主語S)+(動詞V).
空所には2つの文(主語+動詞)をつなげる働きのある接続詞が入ることがわかります。選択肢を見ると接続詞は(B) Onceだけであることがわかります。
他の選択肢は(A) Consequently(副詞:その結果として)、(C) Beforehand(副詞:事前に)、(D) Among(前置詞:~の間)です。
Onceが接続詞で「いったん~すると」を知っていればこのタイプの問題は簡単に解くことができます。
【問題文の意味】
いったん道路補修工事が完了すれば、Reymond Streetの交通渋滞が緩和される。
14. landscaping(造園)
landscapeを「景色、風景」として知っている人は多いですが、TOEICではlandscaping(造園)というingがついた形でよく出題されます。
landscaping company(「造園」を意味する landscaping に、「企業・会社」を表す company を組み合わせた形)は比較的よく見かけます。例文として、”We hired a landscaping company to design our garden.”(庭のデザインをするために、造園業者を雇った。)など。
造園関連のトピックはTOEICで出題されやすいのでこの機会に覚えておきましょう。
15. contribute/ contributor(寄稿する/寄稿者)
contributeは「貢献する、寄付する」、contributorは「貢献者、寄付者」と覚えていることが多いでしょうが、「寄稿する」、「寄稿者」という意味で出ることがあります。
寄稿とは雑誌や論文集などに掲載するための文章を、依頼を受けて執筆し出版社側へ送ることを意味します。
16. hours(勤務時間、営業時間、業務時間)
hourは「時間」という意味ですが複数形のhoursは勤務時間、営業時間、業務時間を表すためにも使われます。
具体的には、working hours、business hours、office hoursなどといった表現です。これらは、ある店舗や企業、学校などが営業・勤務している時間を指します。
例えば、”Our office hours are from 9am to 5pm”と言えば、「私たちのオフィスの勤務時間は午前9時から午後5時までです」という意味になります。
また、個人の勤務時間を表す場合には、working hoursやwork hoursなどが使われます。
17. issue([雑誌などの]~号)
issueには「問題、課題」という一般的な意味以外に、雑誌や新聞の号数を指す場合もあります。
これは、その雑誌や新聞が発行されるたびに付けられる番号で、”issue number”とも呼ばれています。例えば、「最新号のタイムズ」と言う場合、”the latest issue of the Times”と表現することができます。
issueには雑誌などの「~号」の意味があることを覚えておきましょう。
18. focus group(フォーカスグループ)
focus groupとは、商品やサービス、広告などについて、消費者や利用者などの対象者に対して、意見や反応を聞き取るための小グループのことを指します。
focus groupは、市場調査や商品開発などに用いられ、消費者のニーズや意見を知るための貴重な手法の一つです。
focus groupはマーケティング関連のトピックに出ることがあります。知らなかった人はざっくりでも構わないのでこの言葉のイメージが持てるようにしておきましょう。
19. raise(お金・資金を集める)
raiseの基本的な意味は「上げる」ですが、TOEICではお金・資金などを「集める」という意味で出ます。
具体的には、ある目的のために資金を調達することを指し、NPO団体やチャリティー活動、スタートアップ企業などが、資金を集めるためにraise fundsやraise moneyという表現を使います。
raiseに関連したfund-raising(資金調達、募金活動)もよく出てきます。
20. recognize(賞賛する、表彰する)
recognizeの一般的な意味は「認識する、認める」ですが、TOEICでは社員などを「賞賛する、表彰する」という意味で出ることがあります。
「認識する、認める」という意味だと文脈に合わないことがありますので「賞賛する、表彰する」という意味があることに注意しましょう。
まとめ
TOEICのスコアアップには、頻出の言い換え表現やTOEIC独特の単語の知識がとても重要です。今回、これまでのTOEIC受験経験や指導経験をもとに重要な言い換え表現と単語の意味をまとめました。
TOEICでよく出る言い換え表現や単語の意味を知ることは、直前対策としても有効です。また、中長期的なスコアアップ効果もありますので是非継続的に単語学習を行ってください。
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